Diary 写メ日記の詳細
白川椿の攻略を終え、
私は次の階層へ向かった。
「廊下に誰かいる…」
何の扉もない場所に
優しそうな青年が一人、私を待っていた。
「やぁ、ここまでよく頑張ったね」
彼がそう言って微笑んだ時、
突然後ろから騒がしい声が聞こえてきた。
「やっぴー!みちさん!元気っすか!」
「お疲れ様です~、みっちーさん」
振り返ると、そこには羽田千冬と成田千晴がいた。
相も変わらず体育会系、そして巨人である。
「なるほど…普段の姿なのね…」
私が感心していると
見慣れた顔ぶれが次々と現れる。
「みっちーさん、俺のマラマラヘビ知らない?」
「遊びに来ちゃいましたけど、いいんすか!」
櫻井翠と三宅優人も登場してきた。
「二人とも…最初にそもそも人間ではなかった組か…」
苦笑いをしている私に後ろから声を掛けられる。
「あーし達はぁ…
みっちーの言うことならなんでも聞くって感じ~?」
アメジ姿の紫水晶。
なぜ通常状態がアメジなのかは分からないが、
次のメンズは相当な人望の持ち主らしい。
この人たちが来たってことは…
「Hey ! ボクタチもイルッテコトダヨ!オフコース!」
「道枝先生…バスケがしたいです…」
当然、白川椿、月野結弦の登場である。
二人とも…こんなにテンション高かったっけ?
ホワリバ画伯…帰国したんじゃなかったの…?
ちゅきののセリフもどっかで聞いたことある気が…
情報量が多すぎて、
私の頭はショートしそうになっていた。
しかし、
考える時間なんて与えてくれるはずもなく、
これまでの攻略対象だったメンズたちが、
全員勢揃いしていた。
「な…何…この状況…?」
「やれやれ、困った後輩たちでごめんね
俺の名前は”道枝慎”。
禁域の最後の砦を任されているんだ」
「最後の砦…だから全員集合ってこと?」
「いや、ご挨拶しなさいって言ったら
全員集まってきただけだよ
ちょっかいかけろとは言ってないんだけどね…」
彼は微笑みながら、私に向き直った。
「一応、皆からは"重鎮"って呼ばれてるんだ」
「すごく頼られているんですね…」
彼の落ち着いた声や表情に
私は自然と心を許してしまっていた。
仮に重鎮と呼ばれていなかったとしても、
この人の落ち着きようを見れば、
男性でも心を開いてしまうのが理解できる。
「ぼーっとしてどうしたの?
もしかして、今までの子たちが印象強すぎて
俺のこと、少し疑ってる感じかな?」
「正直…そうです。」
「ははっ、安心してよ。
特別な時間は本来心を開いてもらうための時間だからさ。」
「じゃあ、あなたはこれが普通ってこと…?」
「そうだよ、ちょっと安心した?」
「はい、少しだけ…」
その時、私の目の前にいつもの文字が浮かび上がる。
『コウリャクハジメマスカ?』
『YES』『NO』
「選んでよ、
俺は本気モードになっても
そんなに変わらないから。」
