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Diary 写メ日記の詳細

第一話:なんて不平等なんだ…
羽田千冬 2025.11.04
第一話:なんて不平等なんだ…

[image: image.png]

東京、新宿。歌舞伎町。

歌舞伎町タワー17階


『展望フロア』

西島勝利は、


いつものように夜の街を眺めていた。


見下ろす景色は、ネオンの光で常に紫色。

「ふぅ……」

夜の帳が降りた大都市の風景。


しかし、彼の目に映るのは、


その風景の裏側にある「不平等」だった。

「なんで、こんなにも不平等なんだろうな」

ぽつりと、独り言が漏れる。

男性は、


性欲や物欲といった生のエネルギーを、


比較的オープンに語り、求め、消費する。

それは、この街を見れば明らかだ。


欲望を隠さない場所。


欲望がそのまま熱量となる場所。

しかし、女性は?

女性たちは、皆、


どこか「罪悪感」や「隠れた欲求」を抱えている。

「なぜ…男性用風俗は気軽に利用できるのに


女性にはそれがまだ浸透しないんだ…」

特に、


昼のオフィスで働く、まじめで頑張り屋な女性たち。


日々、家事育児を年中無休で頑張るママ。

彼女たちが抱える


生きるエネルギーの欠乏は、


深刻な社会問題だと彼は考えていた。

「食べる、寝る、そして愛し合う。


この三つが、人を人たらしめているのに」

彼は、スマートフォンを片手に、


オフィスで深夜までキーボードを叩いていた


一人の女性の姿を映し出す。

彼女の顔には、生気がない。


まるで、モノトーンのフィルムで


撮られた写真のようだ。

「彼女たちに、


『性(生)の喜び』を知ってもらうには、


現実世界じゃ限界があるな…」

彼は


持っていたスマートフォンを机に置き、


ゆっくりと立ち上がった。

「誰も責めることのない、


誰もが自身の欲望に正直になれる空間。


そこで、最高の男性に触れてもらえれば、


彼女たちの人生はきっと彩られるはずだ。」

西島勝利の顔に、


いつものチャラついた笑みではない、


真剣な表情が浮かぶ。

机に置いていたスマートフォンで


自立式AIを起動する。

『ハジメマシテ、アナタハダレ?』

時代も進んだものだ。


自立式AIが現実世界と仮想現実を繋いでくれる。

ましてや、


現実世界と仮想現実を繋ぐ通り道に


意図的にバグを発生させることで


世界の創造主が望んだ個体へ返ることもできる。

「俺は西島勝利っていうんだ


こんな世界が作りたいんだけど出来るかな?」

『ソノバアイ、


アナタジシンモ


ゲンジツニモドレナクナリマスヨ?


ヨロシイデスカ?』

「それは困る」

『デハ、


アナタノクローンヲ


オクリコミマショウ』

『ソノカワリ、


カラダヲスキャンサセテクダサイ』

「それぐらいなら…」

彼はAIのスキャンを受け、


仮想現実へ送るクローンが完成した。

「頼んだぞ、


この不平等をブチ壊すんだ」

「任せとけ♡」


西島勝利クローンは


ガッツポーズで虚空に消える。

すでに仮想現実自体は完成しているが、


大事なのは、その中で


『性(生)の喜びを知ってもらうこと』

「色んな男性に触れてもらうことが重要だ」

彼は再び、自立式AIに指示を出す。

「この世界にふさわしい人材を探してくれ」

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