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Diary 写メ日記の詳細

第五話:ギャルゲーみたいじゃん
羽田千冬 2025.11.08
第五話:ギャルゲーみたいじゃん

歌舞伎町一番街の門前。

「んん…ここ、どこ……?」

私は目を覚ました。


頭がガンガンと痛み、身体の力が全く入らない。


周囲を見渡すが、ネオンは煌めいているのに、


普段人で溢れているはずの交差点に、人影が一つもない。

その異様な静けさに、


恐怖よりも、まず興奮が湧き上がってきた。

「ははっ…意味わかんない…」

『ピコン』

強制的に起動させられた


スマホの画面が再び光る。

『カブキチョウタワーへムカイマスカ』

『YES』『NO』

「本当に別世界なんだ


なんか…ギャルゲーみたいじゃんw」

好奇心が恐怖を上回り、


シブは迷わず『YES』をタップした。

スマホには地図が表示され、


目的地は歌舞伎町タワーを示している。

……

誰もいない夜の道を歩き、


シブは歌舞伎町タワーの入り口前にたどり着いた。

「ここね…」

自動ドアに手をかけ、


中に入ろうとした、その瞬間だった。

(ようこそ、シブ様)

どこからともなく、


暖かく包み込むような心地の良い声が、


私の脳内に直接響く。

「え、なに!?頭に直接!?」

(あなたは、最初のゲストでございます


どうぞ、この世界をお楽しみくださいませ)

そのまま、謎の声は


タワーのルールの根幹を、私に語り始めた。

(この世界から現実に戻るには、


タワーの最上階を目指す必要がございます。


各階にいるメンズの誘惑に対し、


デレずに最後まで耐えきることが


クリア条件となります)

私は思わず口角が上がった。

「デレる?ふざけてんの!


見ず知らずの男にデレるわけないじゃんねw」

(ただし、途中でデレてしまったり、


感情的に行動したりした場合、


初期リスポーン地点へと戻されます)

「まあ、刺激が欲しいとは言ったけど、


さすがに現実世界に戻れないのは困るわ」

タワーを見上げる。


私の心には、すでに闘志が宿っていた。

「上等よ。こんな世界、


速攻で抜け出してやる!」

シブは自動ドアをくぐり、タワーに入場する。

エレベーターホールを抜け、


一つ目の階段を上がるたび、


先ほどの自信とは裏腹に、


背筋に冷たいものが走った。

「へーきへーき。余裕…余裕…」

強がりで何とか均衡を保っていると、


階段を登りきった場所で、ついに人影があった。

???「やぁ、はじめまーしてっ」

「誰っ!?」

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