Diary 写メ日記の詳細
第十二話:もぬけの殻
羽田千冬
2026.08.30
ロングフリーズを経て
攻略情報を持ったままの「強くてニューゲーム」
そう自分に言い聞かせ、不敵な笑みを浮かべて
タワーに再入場したが、内心では
苛立ちを隠せなかった。
(あーあ、せっかく突破したのに、
なんでまた最初からなわけ?
ほんと、作者のブランクってギルティだわ…)
文句を心の中でぶち撒けながら、
階段をのんびりと上がっていく。
以前入った時と同じ、羽田千冬の部屋。
シブはノックもせずにドアを開けた。
「おーい、千冬。
またあんたのお世話しに来てやっ……た……?」
啖呵を切ろうとしたシブの言葉が止まる。
以前はそこにいた、羽田千冬の姿がどこにもない。
部屋は静まり返り、ガランとしている。
「あれ、誰もいない……」
シブはその言葉と同時に、
今までと全く違う状況を理解した。
全リセットされたなら、当然、
彼はここに再配置されているはずだ。
「いない…? そんなバカな。
不在の場合もあるの……?」
不思議に思いながらも、
誰もいないのなら好都合だと、
そのまま次の階層へと進んだ。
(千冬がいないってことは、
あいつを攻略する必要もないってこと?
これ、もしかしてリセットっていうか、
ただの不具合(バグ)なんじゃ……)
不安と期待が入り混じる中、第二階層へ到着。
成田千晴の部屋。
シブの背筋に、冷たいものが走る。
そして、その異常の正体に気づいた。
「あーごめんね、不在にしてたわ〜」
「なんで……ここに?」
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