Diary 写メ日記の詳細

「…教えてあげるよ、この世界のルールをね」
「ルールなんてあるんだ…」
私の頭も少しずつ状況に慣れてきたようだ。
冷静な判断も出来るようになってきたのが分かる。
「よく聞きな。
ここは現実の世界じゃない。
仮想空間?ってやつだよ」
シブは自信満々な表情で語り始めた。
「知ってた…」
私の口から本音が漏れてしまった…。
シブは「知ってたのかよ!状況把握速いな!?」と
驚いた表情を見せながらも続ける。
「この世界を抜け出すには
歌舞伎町タワーを攻略する必要があるんだ」
「歌舞伎町タワーをコウリャク…?」
また、頭が回らなくなってきた。
しかし、そんな私をほっといてシブは続ける。
…それから長々と語られたけど、
簡単にまとめるとこんなルールらしい。
------------------〈ルール〉--------------------
・この世界から抜け出すには、
歌舞伎町タワー攻略が不可欠
・歌舞伎町タワーには10人のメンズが居て、
それぞれ固有の『能力』を持つ。
・プレイヤー(私たち)はその『能力』に
合計150分耐えきればそのメンズを攻略したことになる。
・最初の30分は『カウンセリング』という特別時間。
そこで一度引くか、そのまま攻略するか選ぶことが出来る。
・そのまま攻略する場合、120分本気でデレさせに来る。
・もしもデレてしまった場合や攻撃的なことをした場合、
強制リセットとなり、初期リスポーン地点へ戻る。
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あまりにも、具体的な説明に私は疑問を抱いた。
「シブちゃんは…なんでそんなに知ってるの…?」
シブはゲラゲラ笑いながら答えた。
「アタシ、惚れやすいんだ!こう見えてさ!
もう何周目かも分かんなくなってきたわw」
ゲラゲラ笑っていたが、
急に真面目になり、続ける。
「だから、あんたは運が良いんだって。
最初から私がいて、やり方教えてあげてるんだから 」
「そうね…」
私の不安げな表情を察したのか、
シブはニカっと笑顔を作り、私の手を引く。
「キャリーしてあげる!
あんたは黙ってついてきな!」
お気楽なシブに連れられ、
私たちは歌舞伎町タワーへ向かうのであった。