Diary 写メ日記の詳細

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櫻井翠にリベンジを果たし、
私は次の階層へ向かった。
次に着いたのは
クラブのVIPルームのような、
煌びやかな空間。
豪華なソファが置かれ、
シャンデリアが天井から吊るされている。
「あれ、お客さん~?」
部屋の奥から、高めの声が聞こえた。
そこにいたのは、紫髪の派手メイクな女性。
「メンズじゃない…?」
その姿に困惑していると、彼女は甲高く笑った。
「アッハハ!
君、面白いねぇ!
俺、メンズだよ~ん♥」
私の困惑を面白がっているようだ。
「改めまして、
あーし、アメジ!
シクヨロって感じッ!」
まさかの展開に、私はさらに困惑した。
「LGBTには理解あるけど…
さすがにいきなり百合展開にはびっくりする。
…ってか、私よりも可愛くない!?」
「ごめんにゃ~、悪気はないから許してちょ?」
彼女は、目元をウルウルさせて、私を見つめる。
そのあざとさに、私は思わずたじろいでしまう。
「うぅ…悔しいけど可愛い…
ギャルだけど…」
「ねね、イマちん!
突っ立てないでこっち来な?
写真撮ろうよ~♥」
私を隣に迎え入れると、スマホを構えた。
そこから30分、
私はアメジのギャルペースに翻弄され続けた。
成長した私でも、この勢いにはついていけない。
アヒル口で記念撮影しているときに、
目の前にいつもの文字が浮かび上がる。
『コウリャクハジメマスカ?』
『YES』『NO』
これまでの傾向から、
『YES』を押すと、
何らかのトリガーとなる行動がある。
そして、その後に
ギャップで攻めてくることは分かっている。
「私は…成長したんだから…!」
私はやけになって、『YES』を選択した。
アメジはにやりと笑うと、
被っていたウィッグを取る。
すると、紫髪から現れたのは、
色気を感じさせる黒髪ウルフだった。
そして、一言。
「…ワンッ」