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Diary 写メ日記の詳細

第十三話:アメジ様
羽田千冬 2025.10.02
第十三話:アメジ様

[image: unnamed (17).png]

櫻井翠にリベンジを果たし、


私は次の階層へ向かった。

次に着いたのは


クラブのVIPルームのような、


煌びやかな空間。

豪華なソファが置かれ、


シャンデリアが天井から吊るされている。

「あれ、お客さん~?」

部屋の奥から、高めの声が聞こえた。


そこにいたのは、紫髪の派手メイクな女性。

「メンズじゃない…?」

その姿に困惑していると、彼女は甲高く笑った。

「アッハハ!


君、面白いねぇ!


俺、メンズだよ~ん♥」

私の困惑を面白がっているようだ。

「改めまして、


あーし、アメジ!


シクヨロって感じッ!」

まさかの展開に、私はさらに困惑した。

「LGBTには理解あるけど…


さすがにいきなり百合展開にはびっくりする。


…ってか、私よりも可愛くない!?」

「ごめんにゃ~、悪気はないから許してちょ?」

彼女は、目元をウルウルさせて、私を見つめる。


そのあざとさに、私は思わずたじろいでしまう。

「うぅ…悔しいけど可愛い…


ギャルだけど…」

「ねね、イマちん!


突っ立てないでこっち来な?


写真撮ろうよ~♥」

私を隣に迎え入れると、スマホを構えた。

そこから30分、


私はアメジのギャルペースに翻弄され続けた。


成長した私でも、この勢いにはついていけない。

アヒル口で記念撮影しているときに、


目の前にいつもの文字が浮かび上がる。

『コウリャクハジメマスカ?』


『YES』『NO』

これまでの傾向から、


『YES』を押すと、


何らかのトリガーとなる行動がある。

そして、その後に


ギャップで攻めてくることは分かっている。

「私は…成長したんだから…!」

私はやけになって、『YES』を選択した。

アメジはにやりと笑うと、


被っていたウィッグを取る。


すると、紫髪から現れたのは、


色気を感じさせる黒髪ウルフだった。

そして、一言。

「…ワンッ」

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