Diary 写メ日記の詳細

「さぁ…
ここからがREVENGEの時間よ」
私は櫻井翠をまっすぐ見つめ、
そう言い放った。
櫻井翠の能力
「圧倒的彼氏感」が、
私を包み込もうとしている。
最初のうちは、やはり翻弄された。
「あれ、少し冷たい?
もしかして、僕のこと
嫌いになっちゃった?」
「そんなことないよ」と答える。
「えへへ、よかった。
僕もイマのこと大好きだよ」
私が喜ぶ言葉を的確に、
そして、まるで本物の恋人のように
言ってのける。
彼の彼氏感は、
以前の私なら間違いなく
デレてしまっていただろう。
しかし、私はふと気づいた。
これまでの私は、
ただ相手の能力に耐えるだけの
「受け身」だった。
羽田の執事styleも、
成田の真摯な学びも、
すべては彼らのペース。
私は、ただ
その波に身を任せていたに過ぎない。
でも、今回は違う。
私はこの空間の主人公。
この物語の主導権は私にある。
ミドリが
「どこか行きたいところある?」
と尋ねてきた。
「…うん。ある」
私は、彼の目をまっすぐ見て答える。
「手、繋いでもいい?」
私がそう言うと、
ミドリは一瞬驚いたような顔をした。
しかし、
すぐにいつもの甘い笑顔に戻り
私と手を繋いだ。
「じゃあ、行こうか」
私は
ミドリの手をぎゅっと握り、
コスモス畑の奥へと歩き出した。
彼は、
私のペースに合わせるように、
ゆっくりと歩く。
「ねぇ、ミドリ。
私たち、恋人みたいだね」
私がそう言うと、
彼は驚いた表情を見せた。
「どうしたの?
そんなに驚いて…」
「い、いや…
なんでもない…」
私はこの瞬間、
勝ちを確信した。
彼は、
私が彼女感を出すことで、
自分のペースを乱されている。
そのまま120分が経過し、
チャイムが鳴り響いた。
「くっ…
今回は…
僕の負けだ…」
ミドリは、悔しそうに顔を歪めた。
「ありがとう、ミドリ。
あなたのおかげで、
私は成長できたのよ」
彼に心からの感謝を伝えた。
私はもう
ただ受け身の私じゃない。
「私はもう
あなた達メンズの
思う壺にはならない」
そう心の中で呟き、
私は次の階層へと向かうのであった。