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Diary 写メ日記の詳細

第十五話:宇宙からの使者
羽田千冬 2025.10.03
第十五話:宇宙からの使者

紫水晶との攻略を終え、


私は次の階層へ向かった。

私の心は、


なんだか不思議な充実感で


満たされている。

次の部屋のドアを開けると、


宇宙ステーションのような、


無機質で白い空間に着いた。

「…何ここ?」

そう呟いた瞬間、


部屋の中央にいた人影が、


こちらを向いた。

背が高く、


今からでも全力疾走出来そうな


運動着を着ている。

そして何よりも目を引いたのは、


顔の半分以上を覆うサングラス。

「!?★♡#@&」

私に何か話しかけているようだが、


全く意味が分からない。

「えっと…すみません、


日本語、分かりますか?」

私が尋ねると、


彼は悲しそうな顔で首を横に振った。

「…あぁ…」

再び私に何か話しかけようとするが、


やはり聞き取れない。

私はどうしていいか分からず、


ただ困惑するばかりだった。

突然、彼ははっきりと

「…いいんすか」

その言葉が耳に残り、


どこか不気味に感じた。

「唯一話せる日本語…?」

私が何かを言おうとすると、


彼は私の言葉を遮るように、


再び記号のような言葉を発する。

そして、そのまま黙り込んでしまった。


部屋の中は、沈黙に包まれる。


仕方ない…聞き取りたいけど、


全く分からないのだから。

彼は言葉が通じないのが悲しいのか


部屋の隅に行き、


体操座りをしてしまった。

私もどうしていいか分からず、


ただ彼の背中を見つめていた。

「あの…良かったら


日本語教えましょうか?」

私がそう言うと、


彼は顔を上げ、少しだけ微笑んだ。

部屋の入室から30分が経ち、


いつもの文字が浮かび上がる。

『コウリャクハジメマスカ?』


『YES』『NO』

「言語が通じないなら余裕でしょ」

私は、迷わず『YES』を選択した。

すると、


彼はゆっくりとサングラスを外し、


その中から現れたのは、


全く汚れのない純粋な瞳だった。

同時に、部屋の空間が歪み始める。


無機質な白い壁は消え、


代わりに現れたのは…

巨大なベッドと、


私を取り囲む、無数の鎖。

そして、彼は、優しい声で私に囁いた。

「『捻じ曲がった愛』ご覧入れましょう」

「日本語…喋れたんだ…」

Commentコメント

匿名希望
いいんすかで笑っちゃった

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